「いやいや、かようなおおげさなものではない。「御用改めでござる」だと?かようなこと大声で申してみよ、急襲にならぬではないか」
「近藤さんのいうとおり。総司が喀血?口からでるのでも、血とゲロではおおちがいだ。総司のやつ、そのまえにヤバそうな豆腐を喰っちまってな。それを、敵と斬り結んでる間にぶちまけやがった。敵は、ゲロまみれ。ある意味、気の毒だった。まさか、新撰組一の剣士と誉れ高い総司から、「三段突き」でなく、ゲロを喰らうなんざありえんだろう。それに、平助だって、べつに斬り結んでてってわけじゃない。ましてや、刀でやられたんでもな。ちっちゃいくせに、いっちょまえに階段を一段飛ばしで駆け上がろうとし、脚が段に届かなくてすってんころりん。手すりに頭ぶつけて額をばっくり」
肺癌第三期 なにこれ?つぶやいたらソッコー炎上する系の話じゃないか?
「しっかし、面白おかしく伝わるもんだな」
原田が、くくくと笑いながらいう。
「あのとき、われわれは、「四国屋」に躍り込んだが、それらしき連中は一人もおらず、しばし、酒をすごしてから、「池田屋」にむかった」
「そうそう、土方さんなんぞ、無駄にかっこつけてな。さっそうと躍り込んだんだぞ。でっ、はずれ。笑っちまったよ」
「うっせぇ、左之。まぁそれ以前に、あのクソったれのだんだら羽織を着てるってところが、すでに恥ずべきってやつだ」
「歳、それは、どういう意味だ?」
「おおっと、すまねぇ、かっちゃん。あんたの発案はクソ、否、あんたの感覚は、独創的だからな」
「おまえの句よりかは、ましだと思うぞ、歳」
しりたくない。夢を、妄想を、壊さないでほしい。「それで、おまえがいた は、どうなるんだ?」
局長と副長のだんだら羽織論争を横目に、原田がきいてくる。
「そうですね。歴史、とりわけ戦とか暴力がからむようなものは、どちらかといえば男性が好むものですが、おれのいた になりますと、女性も興味を抱くようになりまして」
「ほう」
「へー」
女性というに反応するのは、もちろん、ナンパ野郎というのか、スケコマシというのか、副長と原田である。「もちろん、昔を踏襲した真面目な話もおおいです。ですが、タイムスリップ、つまり時代を逆行するおれみたいな話とか、転生、これは死んで生き返ったらこの時代のだれかになっていた、とかがおおいですね。そういう話も、たいていは若い女性か男性・・・」
いってから、はたと気がつく。
幕末にかぎらず、タイムスリップ系や転生は、高校生の男女、もしくはそれにちかい がおおくないか、と。
「信長Oシェフ」、主人公のフレンチのシェフは、結構いってたよな。それから、「JON」。幕末にタイムスリップする脳外科医の話。あれも、主人公は結構いってた。
だが、ほとんどが若い。すくなくとも、犬連れの二十代というのは、なかった、よな? 「そういう設定でなくっても、ありで男装で入隊する女性とか・・・。うーん、真面目な話でも、たいていは、色恋がからむものですね。あ、もちろん、女性とのって意味です。創作の基本は、バイオレンス、セックス、チルドレンやアニマルですから」
わざと日本語はつかわない。
ふと、双子と があう。
二人の傷だらけの に、ニンマリと笑みが浮かぶ。
意味が、わかるのか?きっと、異世界転生で通訳でもやってったんだろう。
「つまり、暴力、色恋、子どもや動物。これらが入っているほうが、ウケるのです」
なんだか、創作講座っぽくなってる。
「それで、その男装の というのは?どうなる?」
以外にも、斎藤が喰いついてきた。
そういえば、少女漫画で、男装の女の子が入隊し、そこで繰りひろげられるどたばたストーリーがある。女の子は月代まで剃って入隊するが、沖田にバレてしまう。二人は、好き同士になるが、そこはストーリー上、すれちがい、誤解、がおおく・・・。その のことを、たしか斎藤が好きになるんだったか?
思わず、ぷっとふいてしまう。想像できない・・・。
「たいてい、だれかと恋仲になりますよね。でもほら、女性ってバレたら大変ですからね。それを巡って、筋書きがすすんでゆくわけです。斎藤先生は、クールな、いえ、冷静な剣士で、副長の懐刀として、めっちゃかっこよく描かれていますよ。女性との逢瀬もあったりして」
斎藤の
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