には、できうるかぎり添うつもりです。無論、できぬ場合もありますれば・・・」
ついてゆきたいと信じる主・・・。
俊冬の言葉がせつない。
どれだけ蹴られようがののしられようが、尻尾を振って気を惹く犬・・・。
「なれど、たまには犬も主を甘噛みいたします」
俊春がいい、二人同時に頭を軽く下げる。
刹那、副長と永倉が同時に膳を脇へどける。肺癌 永倉は、体ごと双子へ向き直り、副長と同時に頭をさげる。
「すまなかった。いまさら、いい訳はしねぇ。詫びのしようもねぇ」
「すまない。おれも、いい訳はせん」
いさぎいい。いっそすがすがしい。
その二人に、双子は膝行してちかづき、掌をそえ頭をあげさせる。
と同時に、副長と永倉の眼前に、拳をさしだす。
「主計から、教えてもらいました。異国では、拳と拳を打ち合わせることで、たがいの気持ちが通じ合ったり、挨拶したりするそうです」
俊冬の説明に、副長と永倉が をみ合わせる。
副長は俊春と、永倉は俊冬と、拳を打ち合わせる。
双子の仲直り法。すごい、としかいいようがない。
副長には、おれたちの漬物皿から沢庵をわけ、飯は、永倉へ。
フツーの沢庵の枚数、飯はフツー盛りで、おいしくいただいた。
もっとも、島田だけは、「この量でいい」、とだれにも手をつけさせなかったが・・・。 朝餉ののち、局長がやってきた。付き添いのはずの野村は、食あたりで医学所に拘束されているらしい。
まったくもう・・・。まぁ、医者嫌いの野村である。ちょっと気の毒でもある、か。
局長は、双子の をみ、「ムOク」の叫び状態になった。が、双子から、話があるときき、かろうじて驚きや疑問をおしとどめたようである。
「先日、原田先生と主計、それと弟に接触してきた老人を調べました。例の忍びに、間違いはありませぬ。ですが、一人ではございません。開戦前、江戸でおこなわれていた御用盗、あの残党の一部が、まだこの江戸市中に残っていたようで、それをかき集めたようです」
俊冬が、報告する。
薩摩が幕府を挑発するために、おこなわれたテロ活動。浪士たちをかき集め、おこなわせたのである。
そのベタな挑発に、まんまとひっかかった幕府。薩摩藩の江戸屋敷を、焼き討ちしてしまう。
そのテロ活動に加わったほとんどは、捕縛されている。
有名どころでは、率いる赤報隊も、西郷からを受け、加わっていた。
余談だが、相良らは、このときにはで西へ逃れた。
この悲劇の男は、もう間もなく偽官軍との汚名を着せられ、下諏訪で処刑される。
それは兎も角、捕縛を逃れた浪士たちを、集めたというのか。「数は?」
「九名。集められた浪士の一人として長屋へゆき、こので確認しております。忍びは、で確認しております。忍びは、 対策のため、依頼主に人をよこすよう願いでたのです」
副長の問いに、俊冬は簡潔に答える。いまので、副長のしりたいことのすべてが詰まっているはず。
「いや、よくぞばれなかったものよ」
局長が、唖然としたで問う。
「伊賀者は、伊賀の忍術しかしりませぬ。が、われらは、伊賀甲賀にとどまらず、戸隠、風魔、葉隠、義経、羽黒などなど、さまざまな流派を学んでおりますゆえ」
しれっと応じる俊冬。
おれたちは、こういう双子に慣れてしまっている。「いや、そういう問題ではなかろう?」
「いいんだよ、かっちゃん。これが、こいつらだ。でっそいつらは、おれたちを狙ってくるんだな?」
副長が苦笑しつつ、局長をなだめる。
「はい、副長。集められた輩は、幕府の
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