戦争で大被害を受けて戻って来た第5連隊を武力鎮圧したとなれば、どんなに上手く理由をつけて事態を糊塗しようと、タゴロローム守備軍本部の統率力不足は指弾されるであろうし、ゲッソリナの中央政府からの守備軍軍政への容喙は免れないであろう。殊に今は、サイレント・キッチンのシャベレーという高官が財務監査に来ている最中である。その上、連隊状況の報告にやって来たコーデリアスの側近の振舞いを見れば、第5連隊兵custom packaging manufacturers分も分かろうというもの。きっと連中はやけくそまみれの死に狂いになって抵抗するであろう。一方、その鎮圧に使うべき他の連隊の兵士といえば、第5連隊兵士に同情的で戦意に期待が持てない。たった百名の兵士と言えど、へたな手出しをすれば、とんでもない大火傷をしそうである。まずい、とモルフィネスは思わざるを得ない。いっそのこと、戦争の最中にコーデリアスを殺しておくべきだった、と後悔していた。当初、アルハインド勢に対抗すべく作戦を立てた時に、第5連隊の恨みを買うであろう事は、当然予測していた事であった。だが、元々クズの集まりと称せられていた連中である。それが敗残の尾羽打ち枯らした状態で戻ってくるのだ、いかに恨みを抱いて戻って来ようと、何ほどの事もあるまい、そうモルフィネスは高をくくっていた。しかるに、案に相違して、戻って来た第5連隊兵士は少数と言えど意気軒昂、守備軍本部への憤りで武装した、地獄帰りの死兵と化してしまった観がある。おまけにコーデリアスやその側近の痛烈な自決は、さらに第5連隊兵士の心の火に油を注いだであろう事は疑うべくもない。その第5連隊兵士の沸騰する戦意の中心にいるのは、間違いなく、あの男ハンベエである。どうあっても消えてもらわねばならぬ、とモルフィネスは思った。バンケルクの懐刀となっている、このモルフィネスという男は、直属の配下に20人程の腕利き戦士を集めていた。一騎当千とまでは言わないが、一種のエリート部隊で、一人一人が十人の通常兵士と当たり得ると言われていた。モルフィネスはこれを『群狼隊』と名付け、己の手足として使っていた。群狼隊の隊長はビルコカインという男で、モルフィネスの指示であれば、陰惨な悪事も辞さない人物という専らの噂であった。モルフィネスはハンベエに金貨500枚を支払って、タゴロロームを立ち去るよう説得し、もしハンベエが応じねば、ビルコカイン以下の群狼隊に始末させる事を決意した。ハンベエという男、相当腕が立つようであるが所詮は一人の人間、自分の配下の群狼隊を10人も投入すれば始末できないはずはないと考えたようだ。ハンベエ達第5連隊は既に駐屯地に戻っていた。そして、コーデリアスの亡骸を弔い、守備軍本部の動きを警戒しながら、休養を取っていた。休養と言っても、連隊兵士にはできるだけ固まって一人にならないよう注意をしていたので、兵士の息抜きの最大のものの一つである売春宿訪問は禁止されていた。いやはや、お気の毒な事である。一方、他の連隊兵士達も駐屯地に戻って来ていたが、こちらは交代でいそいそと良からぬところへ出かけたようだ。第5連隊兵士の中には、先に説明したボルミスのように、それが一番の楽しみの兵士もおり、我慢のあまり指をしゃぶらんばかりの者もいたが、ハンベエに逆らってまで出かけて行く者はいなかった。幸いな事にハンベエ、兵士達には強面のようである。