「隆行様!次々に、敵兵が投降して参ります!!」「敵将、渡辺政忠までもが投降を願い出ております!!」隆行は、それらの報告を聞き、「渡辺政忠といえば、西園寺家、重臣中の重臣ではな保濕精華か、ここへ連れて参れ!!」等と指示を出し、「敵、総大将は、どうした!!西園寺実充は、まだ捕まらんかぁあ!!」と、声を荒げるが、それには返答が無い。そうこうするうちに、隆行は、西園寺家の投降する将の対応に忙しくなり、ようやく、それが落ち着いた頃には、東の空が白み始めてきていた。すると、『うぉぉお!うぉぉおおおお!!』一条家のどこの陣営からか、高らかに勝ち鬨が起こり始め、その勝ち鬨は、一気に三間の大地をおおっていった。隆行のもとには、その勝ち鬨を上げる兵の間を駆け、各隊から、戦果や被害等が隆行のもとにもたらされる。「そうか。実充は逃げたか…。」「そちらの隊にも死者は出んかったか。良かった。」それらの知らせに、隆行や、周りの者達が対応すると、一つの驚くべき事実が浮上してきた。