(問題は…金兵衛の方だ…。)この頃、野球部教祖である細井金兵衛の様子がおかしくなっていたのである。(飯を残すような奴じゃなかったはずだし、意識がある時は五月蝿いくらいだったのになぁ…沙田馬場)ちょうど、新年が明けた辺りから、金兵衛が暗くなっている事が多いのである。敏感にそれを察した隼人は、それとなく、金兵衛に優しく接するようにしていたが、いまいち原因が分からない。そして、新年の行事である野球大会の時には、藤吉郎もそれに気づいたようで「殿…。金兵衛の様子がおかしいような…。」と言っていた程である。思い過ごしの可能性は低いであろう。だが、未だ、金兵衛が自ら隼人に相談をしてきた訳ではない。隼人と藤吉郎は、金兵衛の変化に気づかないフリをしているが、(相談しないって事は、自分で考えてるんだろうなぁ。まぁ、金兵衛も、もう思春期だからな…。)暗くなっている金兵衛を、心配していた。身体の熱気が冷めるまで、そうして休んでいた隼人は、「さて…。」と言って立ち上がると、(そろそろ帰らねぇと、藤吉郎が色々うるせぇだろうからな。)と、愛馬ナリタブライアンに跨り、獅子ヶ城へ戻って行った。