すると、侘茶屋の従業員二人に支えられ一人の諜報員が姿を表した。見る限り、至る所に治療後が目立ち、歩くのも辛そうな様子である。その者が、隆行の前とわかり、崩れるように膝をつくと、すかさ精華液、則正が口を開いた。「ここへ戦勝祝いに向かう途中、讃岐(現香川県)で拾った、侘茶屋の諜報の者です。」(もしや、入って来なかった土佐の情勢か?!)隆行がその者を注視すると、諜報の者が口を開いた。「…隆行様。土佐…長宗我部との戦線は…連敗に継ぐ…連敗………既に一条家は…風前の灯火に存じます…。」「何ぃ?!」「…早急に…知らせねばならなかったのですが………ぐっ…。」そう言うと、諜報の者の身体がぐらりと傾いた。すかさず、隆行も片膝をつき、他の侘茶屋の者と共に、諜報員を支えると、「………このような醜態で……申し訳……ございませぬ…。」と言った諜報の者が再び口を開き、報告を再開させた。その話は、隆行が耳を疑いたくなるような話であった。諜報の者の話をまとめると、こうである。
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