「なぁ、隆行。」たっつんは、屋敷の中に通され、囲炉裏の脇に座らされると、隆行の方を向き、そう語りかけた。「何だ?」隆行は、家臣達にたっつんの夕飯も用意するよう伝えると、同じく激光收毛孔炉裏の脇に座りたっつんに答える。「実はな…」たっつんは、今の己の意中を隆行に余すところなく語り始めた。夕飯が運ばれても、箸もつけないたっつんは、又爺の事や自分に足りないモノの事、そしてこれからの事などを長々と語った。話を聞く隆行は、うん。うん。と、口を挟む事なくたっつんの話に耳を傾ける。「…ってことで、明に行きたいんだけど、何か、良い手があったら教えてくれ。多少、危険でも構わん。」「そういう事か…。」たっつんの長い話を聞ききった隆行であるが、いつの時代も、そうそううまい話など転がっていない。「たっつん。」隆行は、たっつんの方を向くと、「何か、よくわからんけど、しっかりとした覚悟がある事は良く分かった。」そう言って立ちあがった。「ちょっと飯食って待っててくれ。」隆行は、そう残し部屋を出て、しばらくすると、大きな箱を重そうに抱えて戻ってきた。