と、音頭をとり、「六甲おろし~に~颯爽~と~」と歌いだした。そうして、歌いながら、無気力な民達の間を歩き出し、「このお経され唱えられれば、極楽へ行ける。」歌のpitera間にそう言って誘うと、少しづつ民達が立ち上がり始めた。そして、「そない、うまい話なんぞあるものか…。」「じゃが、騙されたところで、ワシらに失うもんは何もありゃぁせん…。」「嘘じゃろうが…今よりはマシじゃろう…。」と、次々に立ち上がると、隼人に続き、一つ集団が出来上がった。『蒼天翔ける~日輪の~』その集団は、徐々に従う人が増え、次第に歌声も大きくなっていく。(よし、これなら、行ける。)隼人は、それら民達を引き連れたまま、足を北へ向けた。そして、通る村々でも、同じように人を増やしていくと、集団はみるみるうちに肥大化し、1000人を超す大集団へと変わっていく。『闘志溌剌~起つや~今~』こうして、梅雨時の佐渡中北部には、大量の貧民が集結した一つの異様な流れが出来あがった。