見つけた宿は、安宿ながら、なかなか快適そうな宿で、店主も気さくそうな男である。そんな店主に、Gが船について尋ねてみると、「船でっかぁ。佐伯や臼杵の方まで行きゃぁ乗せるくれる船もありま精華液好用やろ。あのあたりは栄えておりますからな。」と、丁寧に場所まで教えてくれた。これには、Gの後ろに隠れていた菊も、「ありがとうございます。」気さくな店主と、なんとかなりそうな気配に、ほっとした様子で店主の前まで行き、丁寧に頭を下げた。しかし、店主は、この菊を見ると、表情を一変させた。店主は、Gの方を向くと、「悪い事は言わん。佐伯と臼杵は避けた方が良い。ここから迂回して、平戸の方から行った方がええ。」と、さっきとは打って変わって迂回路を示し始めた。その道は、阿蘇を横断する山道で、「山賊がでるやもしれんが、用心棒もおるようじゃし、このまま北に行くよりはええ。」と理解に苦しむ事を言う。要領を得ないGには、店主の意見の転換が理解出来ず、「………どういうことだ?」と尋ねると、目をギョロギョロさせて辺りを窺(うかが)った店主が、「あまり大きな声では言えんが…。」と声を潜めて話し始めた。
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