空には、零れ落ちそうなほど輝く星空が散らばっていた。空腹の二人は、なかなか寝付く事が出来ず、横になったまま黙って星空を眺めていた。「ほらよ。」ふいに隼人が、藤吉郎に最後の味噌beautyexchange入った小さな袋を投げた。「そんな物無い方が開き直れる。金兵衛が寝てるうちに食べちまえ。」そういう隼人も相当の空腹のはずである。起き上がって、味噌を大切そうに持った藤吉郎が、どうしようか迷っていると、星空を見上げたままの隼人が、一人で話し始めた。「酷ぇ時代だ。村を歩けば痩せ細った子供が道で死んでおる。町を歩けば、身体の不自由な老人が物乞いに来る。」藤吉郎は味噌を大事に持ったまま、隼人の横に寝転がり、星空を見上げた。「たしかに、ヌシの言うとおり、ワシらのやろうとしておるのは如何様の宗教だ。」藤吉郎は黙って隼人の言葉に聞き入っていた。「ただ、如何様の宗教でも、そういう悲惨な人達を救う事は出来るんだぞ。頭となる者達が搾取せずに皆を踏み台にしなけりゃな。」隼人は、隼人なりに藤吉郎の良識を労わっているのであろう。

 教師たちを探す必要がある。サキカに告げた「魔人の魔法にやられた」という言葉には、多少の推測が含まれていることもない。教師たちが協力して張ったのであろう闘技場の結界が破れ、闘護膚品推介場が大破した時、入り口のあたりにいたはずの教師たちは皆吹き飛ばされて瓦礫の下敷きになっただろう。しかし、他にも教師はいたはずなのだ。その教師たちが集まっていたはずの場所が闘技場の選手控え室である。──闘技場の大半は破壊されていた。もともと空間属性魔法によって強固な防御魔法が張られていたはずなのだが、魔人の魔法の前には意味をなさなかったらしい。屋根のなかった闘技場の中央部にまで、瓦礫が飛んできているのが目に入った。緊急的に本部として使用していた控え室のあったあたりは、幸運なことになんとか形を保ったままであった。「……何にも染まらぬ無の魔力よ、燃え盛る炎にも、万物を押し流す水にも、荒れ狂う嵐にも、隼の如く駆ける雷にも、命を育みし大地にも負けぬ力となりて、我が意思に従い対象物を強化せよ“物体強化” 」無属性上級魔法“物体強化”──。その名の通り、物体を強化する魔法である。淡い紅の光が今にも崩れ落ちそうなほどにぼろぼろとなった控え室を包み込み、壁に溶けるように消えていく。.

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